採用適性検査の用途による使い分け
採用適性検査にもその特徴と用途が異なります
採用適性検査には多くの種類があります。どれも同じ土俵で見て安易に使用してはいないでしょうか。
まず採用適性検査は必要かということから考えてみますと、答えは必要。いや必須と言えるでしょう。
面接だけではその人物の2%ほどしか把握できないという、驚くような値が研究によって出されていると言われています。
昨今、採用にあたり多くの企業様が採用適性検査を2種類以上使われているようになって参りました。
中には適性検査だけで採用決定までに4つ使用する企業様もあると耳にします。
どう使い分けていらっしゃるのか、今回は大きく二つに大別される採用適性検査について、使い分けのポイントを解説してみます。
採用適性検査は比較の上で大きく2種類に大別されます。
・心理学系 多くの適性検査がこの系統にあり、著名適性検査の模倣の安価なツールなども出回っているようです。また対策本も多くあり、ネット上にも対策が出回っているようです。
・脳科学系 人材が持つ本質特性が見いだせる検査。心理学ではないので対策が立てられないのも特徴の一つでもあります。 |
心理学系適性検査の特長
用途的には、どちらかというと採用直前や内定後に受けてもらうケースも多いようです。配属や職種などをどうするか、人材として活かすための参考データとしての活用が多いようです。
心理学系は選択肢の意図が汲み取り易く、意図的に答え易い、自分を良く見せようとすることが比較的行え易い、という課題があるようです。また、著名なツールも多いことから、研究されているため、対策本も多く出回っており、ネット上でも沢山の対策が溢れている、という難点もあります。
信念・価値感・性格・特性・動機・使命、といった面接では見えない部分を捉えて、面接を補完していくことに活用します。最近ではより多くのコメントを出し、多彩な分析レポートを出す検査も増えてきています。こういった検査を何に活かすかをしっかり考えて活用しないと、漫然と使っていては意味を成しません。採用コンセプトに合致したツールを選択することが大事ですね。
脳科学系採用適性検査の特長
人材の持つ本質的な特性を把握し、面接での補助的役割を果たします。検査の内容が異なるので心理学系の採用適性検査と同列で比較することはナンセンスだと言えます。
ストレス耐性の測定含め、全く異なる観点の人材特性を測定して、人材の本質を見出せる適性検査となります。
採用してはいけないと判定される人材の出現率は平均14%となっています。採用プロセスの一番最初に使って頂くことが一般的な適性検査になります。最終に近くなってからだと「不適切」と思われる結果が出ても、役員などの面接官は自分の目を信じたがる傾向がありますので、採用を押し切るケースが出てしまいます。まず、検査結果通りのことが発生し、その責任は人事に押し付けられるなんていうこともまま起きるようです。早めのご使用がその本来の使い方となるでしょう。
もちろん、一般論として不採用判定が平均14%ですから、残り平均86%は次のステップに進むわけですが、脳科学系の検査では能力的特性も測定します。気になる点への質問集や、その質問への反応・回答での判定ノウハウ集も、導入企業様には当社独自の資料を提供できますので、「採用者」への活用もできるものなるといえます。
二つの種類、使い分けがベスト、一つに絞るなら
コストと手間を要する採用、されど会社の今後の成長と発展を担う人材の採用には、ある程度の投資はやむを得ません。だからこそ、その採用にはできるだけ万全を尽くしたいものです。採用して1年以内に退職などとなった場合、そのコストロスは一人につき約300万円ともいわれています。中途採用などで紹介採用なら紹介手数料も含めて膨大なコストロスとなります。
ならば採用募集にかけるコストもさることながら、適正な採用にもコストをある程度かけるべきではないでしょうか。そうした意味では上記二つの種類の適採用性検査を、初期で脳科学系で精査、最後に採用決定に心理学系のあらゆる観点での最終精査。と、二種類の異なる適性検査の用途別使い分けがお勧めなのです。
コスト的に厳しいとなった場合(しかし、退職されてしまうよりは断然コストロスは抑えられると思うのですが)、脳科学系の適性検査は、人材の本質的特性(性格・能力)に関わる検査分析も出力しますので、一つで賄うことはできます。もちろん性格・能力系の分析結果も、最も精度が高い、と比較トライアルされた企業様の多くに評価されています。
※本コラムは当社独自の知見による一般論です。いかなる適性検査ツールベンダーの見解は入っておりません。