採用リスク(経営リスク)を考える
採用してはいけない人材の採用が経営リスクに
昨今売り手市場が続き、採用時の関門が緩くなっている企業様も多くなっていると耳にします。
とにかく応募さえあれば、余程でない限り採用してしまう、といった人材難に苦しむ業界や企業様も、少なくないような情勢です。
採用には、採用の媒体活用や紹介含め、手段はいろいろあります。そこでの応募獲得には相当コストもかかりますので、その気持ちもわからなくないところです。しかし、結局早々にも退職されでもすれば、そこでかかったコストや工数は消失ということになってしまいます。概算平均一人当たり300万円の採用コストが掛かる、ともいわれていますので、すぐに辞めてしまうような人の採用は、コスト、労力、人手不足の非解消だけでなく、採用活動を再開する必要にかられたり、実際の被害は相当なものになってしまいます。
どんな人材採用が経営リスクとなるのでしょうか?
・早々に退職してしまうような人材
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採用リスクのある人の出現率は1割強
実際にこうしたリスクのある(可能性のある)人材は一般論で平均して1割強ほど出現するようです。
偏差値の高い大学を出て、優秀と言われる人ばかり集まるので心配ない、と仰る企業様もおられるかもしれませんが、優秀なのとリスクの有無は関係性が無いと思わねばならないところです。もちろん努力やストレスへの対応力が無いと、受験に打ち勝ち、偏差値の高い有名大学へはそうは進学できませんので、ある程度リスクは低めなのかもしれませんが…
採用リスクを面接で見抜く、これは至難の業かもしれません。面接だけで相手のことが判るのは、その人物の僅か2%だともいわれているようです。
大量採用の中で数人の経営リスクとなる採用、数人の採用で一人の経営リスクのある人材の採用、インパクトは後者の方が膨大な感じもしますが、経営リスクや損失は同じように掛かってきます。
どれだけ、喉から手が出るほど人材が欲しくても。。。
やはり、経営リスクは回避したいもの、いや回避せねばならないもの。
面接と並行して適性検査は必須
適性検査には比較すると大きく2種類あると言えます。
1)採用に際し、性格や能力、学力を測定する適性検査。
職種や配属時の参考にしたり、向き不向きを捉えておき、採用後の最適化を診るための目的が中心のもの
2)採用に際し、その人材の特性を診て、リスク回避にも使える適性検査。
病理発症傾向やストレス耐性の測定、お金の使い込み傾向や情報漏洩傾向、離職傾向を測定。
採用してはいけない人を見出すことも可能なもの
最近ではこの2種をそれぞれ導入し、初期段階で後者を、採用前段階や採用後に前者を活用するという企業が増えてきているようです。目的に応じて、採用の経営リスクを低減する企業の成長を推進する採用にしていきたいものですね。
※本コラムは当社独自の知見による一般論です。いかなる適性検査ツールベンダーの見解は入っておりません。