RPA導入を阻害する5つの誤解
RPA導入を失敗しないために
RPAの導入は大手企業で一巡し、令和は中堅中小企業へのRPAが本格化するステージとなってまいりました。
しかし、大手での導入スタイルやツールの情報不足、ネットに溢れているアフィリエイトサイト等での誤った比較情報の氾濫、等からRPA導入に際し、多くの誤解が生まれています。値段への誤解や操作性の難易度に関する誤解等々。失敗しないRPA導入には欠かせないポイントまでが誤解されているケースも多く、特にRPAの中堅中小企業への展開を中心にして記載したいと思います。
RPA導入の誤解その1
国産RPAツールだと、操作も簡単そうだからまず導入して使ってみる
Excelのように操作できる、と思ったら大間違い
プログラミング経験が必要とは言いませんが、RPAツール自体の操作やBOT開発には例えば、著名な国産のWinActorに限らず、すべてのツールに対して基礎的な操作研修などは受講しないと何も始まりません。さすがにExcelのようにはいきません。
結果、ツールをとりあえず買ってしまい、操作できないため、ツールの技術派遣を求めて外注開発に。そのためコストがかかり、管理統制も効かないボットが、いくつもバラバラに出来上がることが、大手での導入においても発生してきました。これが一般的に言う野良ボット問題です。
最低でも2週間ほどの研修は受け、その後も都度サポートを受けないと、自力ではなかなか業務の合間にできるようなものではありません。やはりRPAは社内で自分で開発することに意味があって、それでこそ生産性向上が可能になります。
そこをしっかりやっていけば自社でコストかけずに次々とBOTが完成し、業務効率をグングン上げていくことが出来ます。
RPA導入の誤解その2
国産RPAツールは安いが、海外の著名RPAは大規模でとても高い
国産RPAツールは別に安いくない、むしろ少し高めなのです。
国産代表WinActor vs 海外製品代表Automation360で比較してみましょう。比較サイトではAAは1,000万円~なんて書いてありますがこれは大企業に導入されたものを抽出したものでしょう。
WinActor
開発版1LC:95万円/年、実行版1LC:20万円/年 合計115万円/年
AutomationAnywherer
開発版:3LC、実行版:1LC、ControlRoom(サーバー)1LC
合計1万ドル/年 ≒ 150万円/年(2022年11月米ドル為替相場)
AAは倍以上のライセンス数でサーバーもあって、ほぼ同額なのです。360を導入する企業は中堅以上が多いので年間ライセンス費用が1,000万円以上となってる企業は多いと思います。ただ、私がサポートしていた企業は最小ライセンス構成で年間1万ドルでした。
RPA導入の誤解その3
RPAツールはフローチャートが判り易い、そうでないと専門知識が必要で判り難い
RPAツール著名3種(WinActor、UiPath、Automation360)のBOT開発画面を見比べてみましょう。
3つとも左がコマンド一覧、真ん中がアクティブフロー、右が動作定義ウインドウとなっています。
1)WinActor
2)UiPath
3)Automation360
当社開催の3種ツール体験研修での評価
いろんな方に伺った感想からはIT初心者はフォローチャートが分かりやすいという場合が多くIT部門の人はそこはあまりこだわらない、場合によってはスクリプト表示の方が慣れていてよいという意見が多いようです。
※Automation360はブラウザ画面となり、列表記とフロー表記を自由に切り替えながら開発が出来るようになりました。
RPA導入の誤解その4
RPAツールのコマンドが日本語だと判り易い
多くのツールの発祥が英語圏なので、単純な言葉まで日本語化するとかえって意味が判りにくくなる。
UiPathもAutomation360もコマンドの日本語化が進むが、却ってわかりにくくなっている面も否めない。コマンドを探せないケースがあって、プログラミング経験者がアルファベットで実際の命令を検索して使う場合が多い。
UiPathは早期にCommunity Editionを出しているので、ネット上には古くから自主制作のマニュアルやチュートリアルが沢山アップされている。
→しかし、英語時代のマニュアルが殆どで、日本語化された最新のUiPathCE版を使っていると、該当するコマンドを探すのに四苦八苦
たとえて言うなら「EXCELの関数を日本語化したら?」みたいな感じです。
=sum(b2:b8)が「=合計(b2:b8)」となるようなものです。 これに近いややこしさが起きています。
日本画家はマニュアルや基本操作「フィルを開く」「編集」くらいにとどめる方が使い易いのではないかと比較して思う次第。
RPA導入の誤解その5
サーバー機能はほんとどの製品が持っているので差がない
サーバー機能といっても当初からサーバーありきで構造が設計されているツール、代表格はAutomation360ですが、その製品と単体ツールにあと付でサーバー機能を持っているものでは、根本的に意味が違う。
Automation360は サーバーがライセンス管理と認証を行い、クライアントを稼働させる サーバーに共用できるBOT、metabotを置いて、各クライアントからアクセスし、共有活用ができる。同じ処理をするフロー(ネットからexcelへの貼り付け等)は各々が開発する必要がない、など、サーバーありきならではの機能がある。
一方後付けのサーバーは
稼働時間のタイマーコントロールなどで、サーバーとしての機能としては寸足らずな機能しかないことが多い。
将来の展開を考慮する場合、統制管理と共用効率化が必要となる場合、サーバーのメリットを理解したRPAのツール選定が必要となります。
当社では主要ツールについては研修、開発ができるサポートサービス(DXコンビニ)があります。お困りごとがありましたら、DXコンビニページからお問合せください。
RPA成功の秘訣から当社の提供サービスまで
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